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「買い物袋も開けず転売する日々…」夫の回復どころか、自身が買い物依存症に。異常な日常、その実態は?【田中紀子さんのターニングポイント#2】

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ゆうゆうtime編集部

いまニュースでも騒がれている「オンラインカジノ」や「ギャンブル依存症」。田中紀子さんはそんな問題に陥ってしまった人々を救済する活動をしている現在60歳です。前回は田中さんの夫が抱えていた「ギャンブル依存症」の回復への第1歩に踏み込むことができた、その背景をうかがいましたが、今回は自身も陥った「買い物依存症」、そしてそれでも離婚しなかったワケについてお話を聞きます。

▼第1回はこちら▼

夫がギャンブル依存症、自身も共依存という病気に…回復へと踏み出せた最大の理由とは?

1964年9月東京都中野区生まれ。1986年3月に昭和女子大学短期大学部国文科を卒業し、その後結婚出産。2004年2月にギャンブル依存症の自助グループに繋がり、2014年2月公益社団法人 「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表に就任。著書に『三代目ギャン妻の物語 - 祖父・父・夫がギャンブル依存症!』(刊行/高文研)

ギャンブル依存症の父がいる家庭、その影響は?

夫との出会いは前回話したと思うのですが、ちょうど私がバツイチになった時とも出会いは重なっていました。比較するわけではないのですが、その経験があったからこそ現在の夫が私のことを支配せず、コントロールせず、ありのままの私を愛してくれる、そんな私にとってこれ以上ない人だということを理解できていたのです。
良い意味で自分の見る目も信じていましたし、それは今でもゆるぎないです。

ちなみにギャンブル依存症と向き合い、自助グループに通っていたのは、まだ子供たちは未就学児のとき。まだ幼過ぎたのが幸いして、両親の依存症が影響してグレる、みたいなことにもならず、すくすく育ってくれたんですよね。

またギャンブルのことがあったので、子供たちに対して罪悪感がなかったとは言い切れないのですが、とにかく家庭の中は円満で、穏やかでした。私も夫も子供たちを怒鳴るようなことがほとんどありませんでした。

フルタイムで私も夫も働き、幼保一体型のところに長女と長男を預けていたので、夜7時まで預かってくれるんですね。今のお母さんたちもそういう方多いと思うのですが、子供と接する時間も1日数時間もなかったでしょうか。逆にそれが良かったのかもしれないな。あと、同居している私の母が子供たちを見てくれてたというのもあるのですが。

過去がママ友にも知れ渡った。その時かけられた意外な言葉

子供にはいろんなトラブルが回復に向かっていた小学校高学年頃に過去の経緯を説明しました。
長男が5年生の時にびっくりして学校から帰ってきたことがあって。ギャンブル依存症の問題に関するテレビ番組に私が出演したのですが、どうせ誰も見ないかなと思って特に事前に周囲に知らせていなかったんですね。そしたら、それを見たという息子の友達が「おまえんち1500万円も借金あるんだろー!」と言われた、と言っていて。それで、おばあちゃんにもびっくりして聞いていたみたいで。

そこがきっかけで私たち夫婦の依存症の話や回復のために頑張っている経緯を説明しましたね。当時のママ友とかにも「テレビ見たわよー!」と言われましたね(笑)。でもそれで私を避けるような人はいなくて、むしろ大変だったわね、とか頑張ってね!とか。ポジティブな声がけをしてもらえました。

いちばん辛かった自身の「買い物依存症」

こんな感じで子供も素直で可愛く、穏やかで円満な家庭でした。そして、唯一の問題である、夫のギャンブル依存症を回復させるために自助グループとつながって、やっとこれで解決に向かえると思った矢先、今度は私が買い物依存症を発症してしまったのです。この時がいちばん辛かった…。

夫をギャンブル依存から救うためにつながった自助グループで、なぜこういう状況に陥いってしまうのかを深堀りしていく中で、依存症の多くは「自分の生い立ち」に深く関係している、と悟ったのです。
そして結果的に同居していた母との関係も悪くなっていき、それが一因にもなり家に帰りたくない=仕事終わりに買い物やエステに行って帰ろう、となってしまいました。

当時、夫は自助グループへの参加のおかげもあってギャンブルが止まって、その仲間たちからもこれで回復に向かえる、幸せになれますね、なんて言われてましたが、その裏で私は買い物依存の渦中に取り残されていて。正直、私だけは回復できないんじゃないかと思っていました。実は夫のギャンブル依存で悩んでいた時よりもこれがいちばんの地獄だったかもしれません。

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