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「買い物袋も開けず転売する日々…」夫の回復どころか、自身が買い物依存症に。異常な日常、その実態は?【田中紀子さんのターニングポイント#2】
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ゆうゆうtime編集部
買い物依存症の異常な日常とは?
買い物依存症だと、家の中に買い物袋があふれて、家族に怪しまれて…と想像されるでしょうが、依存者は嘘をつくのが上手ですからね、私ももれなく上手に隠していました。
仕事帰りにバッグから服からもう抱えきれないくらい大量に買って帰ってくるのですが、それをそのまま家の外にあった物置にいれるんですよ。そして、翌日会社に行くときに取り出して、そのまま質屋に持っていくんです。もう袋も開けません。本当に買うだけなのです。
当時でいうと、ルイ・ヴィトンの商品なんかは割が良くて95%くらいで買い取ってくれるんですね。それで、買っては質入れや転売の日々。ただただ買って、それを売って。元手ができたらまた買っての繰り返しです。
夫は私が買い物依存に陥っていたことに気づいていませんでした。家計は私が握っていましたし、もともとが良い意味で私の金遣いなどに干渉しない人です。もちろんバレたら、面倒くさいになることになるのもわかっていました。
ですが、今だからわかるのですが、依存症の人の嘘というのは、罪悪感からきているんですね。自分で自分が許せなくて、自分で自分を裁いてるようなところがあるのです。ギャンブル依存症の人が「泣きながらギャンブルする」というのは有名な話です。
買い物依存症が進行したのち、うつ病を発症したことで、皮肉にも買い物すらできなくなり、結果的に買い物依存症から脱することができましたが、同時に「死にたい」という気持ちが大きくなってきたのも事実でした。この時、仲間からアルコール依存症から回復された方々の研究会に誘っていただき、乗り気じゃない中も参加した研究会で私は命の恩人と出会うことになります。エピソードは割愛しますが、ここで「心の掃除」の仕方や、「謙虚さを持ちながら生きる」という具体的な策を教えてもらい、私は自身の依存症からの回復への道筋をつけることができました。
夫の病気に関して一度も「信じたことなんてない」
皆さん、そんなに何回も裏切られてご主人のことをよく信じられますね(一緒にいられますね)、とおっしゃいますが、そんなことはありません。皆さん勘違いされているのは、「信じ続けることでこれ(依存症)が治る」ということ。私は「いつだってまた再発する」って思っていますよ。だから、回復するための活動を地道に続けていくしかないのです。
夫に関して言えば、病気以外の部分、例えば優しさとか、私のことを生涯愛してくれるところとか、ありのままを認めてくれるところとか、圧倒的な味方であるとか…そういったところは信じています。
でも、夫の「病気」の部分は一度も信じたことなんてないんですね。だって「ガンが再発しないと今度こそ信じてみます」って、それで再発をコントロールできませんよね?それと同じで、非科学的な考え方は持たない方がいいと思います。
科学的に証明されている、回復するための活動を寿命が尽きるまでやればいいだけなのです。そして私の場合は、依存症をかかえている仲間とともに誰かを助けていくこの毎日のプロセスが、めちゃくちゃ楽しいことでした。「使命感」や「居場所」が与えられたという実感もあります。それは人が生涯追い求めるものです。私たちは依存症という病をもったがために苦しみもしましたが、こういった人生を捧げられるものも与えてもらいそちらの意義のほうが大きかったとすら思います。
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