【べらぼう】瀬川を襲名した花の井(小芝風花)。鳥山検校(市原隼人)との出会いで人生がどう変わる?
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鷹橋 忍
鳥山検校の「検校」って何?
この時代、「当道座(とうどうざ)」という盲人の職能団体が存在しました。鳥山検校の「検校」とは、当道座の最高位を指します。当道座には検校を頂点に、別当(べっとう)、勾当(こうとう)、座頭(ざとう)の「四官」が制定されており、官位はすべて金で買います(八剣浩太郎『銭の歴史増補改訂版』)。検校の官位を得るためには、千両もの大金が必要だったとされます。なお、当道座の仲間に入っている盲人は、「座頭」と通称されました。
幕府は盲人の保護策として、座頭に金貸業を認めていました(八剣浩太郎『銭の歴史増補改訂版』)。当道座中が貸し付けた金銭は、「座頭金」と通称されました。生活に困窮する旗本や御家人、財政状況の厳しい大名などが借り手となっています。
座頭金の利息は法外で、取り立ての厳しさでも知られていました。仲間や弟子などを動員し、借り手の家の前で「金返せ」と一日中、騒ぎ立てたといいます。この取り立てを恥じて、切腹をする武士もいました。
座頭金の高利や、いきすぎた取り立ては世間の悪評を買いましたが、幕府は事実上、黙認していました。当道座中と借り手の間に訴訟沙汰が発生すると、幕府が認めたのは常に当道座中の言い分でした。それが、幕府が考える「盲人保護」だったといいます(以上、大隈三好箸 生瀬克己補訂『盲人の生活(生活史叢書34)』)。
こうして、高利貸しで巨万の富を得る盲人たちが現われました。鳥山検校も、金融を主業としていました。
鳥山検校、検挙される
瀬川が鳥山検校に身請けされてから3年後の安永7年(1778)7月、旗本の森忠右衛門夫妻と、その子・虎太郎夫妻の4人が、座頭金など高利の借金の返済に行き詰まり、出奔するという事件が勃発しました。その後、森忠右衛門・虎太郎父子は自首し、取り調べにあたり、座頭金の高い金利や厳しい取り立ての実態が明るみに出ました。
この事件を契機に、幕府は高利貸しの一斉取り締まりを行ない、鳥山検校も検挙されています。鳥山検校は、闕官(けっかん/当道座の官位を解かれること)不座(当道座中からの除名)の上、遠島の処分が下されました。
その後の鳥山検校と瀬川は?
その後、鳥山検校と瀬川はどうなったのでしょうか。まず、鳥山検校は寛政3年(1791)に帰官しています。一方、瀬川は鳥山検校と別れて、飯沼某という武家の妻となり、二人の子を出産。夫が亡くなると、大工の結城屋八五郎と通じて妻となるも、最後には尼になったと伝えられています(以上、伊原敏郎著 河竹繁俊・吉田暎二編集『歌舞伎年表第4巻(明和三年-天明四年)』)。
ドラマの瀬川の未来が、蔦重と重なることはあるのでしょうか。
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