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長寿研究の第一人者がすすめる【究極の老化予防食】認知症予防に必須の食材とは?

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ゆうゆう編集部

動脈硬化も認知症も予防【青魚】

長寿研究の第一人者がすすめる【究極の老化予防食】認知症予防に必須の食材とは?(画像10)

EPAやDHAを効率よくとるには、刺し身がおすすめ。

さんま、いわし、さばなどの青魚にはオメガ3のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれている。これらは動脈硬化の予防や認知機能の維持に欠かせない成分なので、意識してとる必要がある。DHAやEPAを効率よくとるには刺し身で食べるとよい。焼いたり、揚げたりするとせっかくの成分が失われてしまう。刺し身を食べるのが難しければ、缶詰を活用しよう。缶詰は脂がのった時期に収穫して加工しているので、DHAやEPAがより多く含まれている。常備しておくと便利。

牛肉、豚肉、鶏肉をバランスよく【良質なタンパク質】

長寿研究の第一人者がすすめる【究極の老化予防食】認知症予防に必須の食材とは?(画像11)

タンパク質が不足すると認知機能の低下だけでなく、筋肉が減って寿命も短くなる。

高齢期になると腸から栄養を吸収する機能が低下するので、その分たくさん食べる必要がある。特にタンパク質の摂取量が減り、筋肉が落ちると運動機能が低下して転倒や骨折をしやすくなり、そのまま寝たきりとなって認知症へと進むケースが多くなる。タンパク質をしっかりとるには肉がおすすめ。肉の代表は牛、豚、鶏。これらにはそれぞれいいところがあるので、バランスよく毎日の食事に取り入れよう。牛肉は脂身の少ない赤身を。牧草を食べて育った牧草牛は脳にいいオメガ3が豊富だ。豚肉も脂身の少ない赤身がおすすめ。代謝を高めるビタミンB₁が豊富で、疲労回復やスタミナ回復に効果あり。鶏肉は、疲労回復効果のあるイミダペプチドが多いむね肉がおすすめ。鶏皮にはとりすぎると炎症を起こすオメガ6が多いので、調理する際には取り除いて。

うまみと栄養がとけ出たスープ【ボーンブロス】

ボーンブロスとは、牛や豚、鶏などの骨つき肉と香味野菜を鍋で数時間コトコト煮込んでできるスープのこと。長時間かけて煮込むので骨から栄養がとけ出し、カルシウム、リン、マグネシウム、コラーゲン、アミノ酸が豊富に含まれている。消化・吸収されやすいので、消化機能が低下しがちな高齢者にぴったり。塩などで味つけしてそのまま飲んでもいいし、カレーやシチューなどの煮込み料理に活用してもよい。

旬の野菜や果物は色で選ぶ【レインボーフーズ】

野菜や果物の色や香り、苦み、辛みのもとになる成分はフィトケミカルと呼ばれ、その種類は数百とも数千ともいわれる。フィトケミカルには強力な抗酸化作用のあるものが多く、健康維持や病気予防に役立つことがわかっている。このフィトケミカルは、一つだけとるよりも複数を一緒にとったほうが相互作用を発揮する。どれを選べばよいのか迷ったら、食材を7色のグループ(赤、黄、緑、白、紫、茶、黒)に分け、複数の色から選ぶようにするとよい。主なレインボーフーズは以下のとおり。ビタミンやフィトケミカルの中には、加熱すると失われてしまうものもある。栄養を効率よくとるならば、野菜や果物をミキサーにかけたスムージーがおすすめだ。

赤の食材

トマト、赤パプリカ、唐辛子、いちご、りんご、すいか、さくらんぼ など

トマトのリコピン、唐辛子のカプサイシン、赤パプリカのカプサンチンなど、強力な抗酸化作用をもつフィトケミカルが豊富に含まれている。特にトマトは「医者いらず」という言葉があるくらい栄養価が優れている。

黄の食材

とうもろこし、かぼちゃ、にんじん、さつまいも、菊花、みかん、バナナ など

にんじんのだいだい色、かぼちゃやさつまいもの黄色は、色素成分のβ-カロテンによるもの。強力な抗酸化力があり、体内で活性酸素を抑制して老化予防や病気予防に役立つ。

緑の食材

ブロッコリー、ほうれん草、青ねぎ、キャベツ、ピーマン、オクラ、アスパラガス、水菜、アボカド、キウイフルーツ など

緑色の野菜はフィトケミカルの宝庫。カロテン、抗酸化ビタミン、カリウムなどが豊富で、濃い緑色の野菜には抗酸化作用が強いクロロフィル(葉緑素)も。

白の食材

玉ねぎ、長ねぎ、カリフラワー、大根、セロリ、白菜、じゃがいも、長いも、大豆、にんにく、なし など

色はついていなくても栄養素がたっぷり。玉ねぎや長ねぎに含まれるイオウ化合物は動脈硬化予防に役立つ。カリフラワーやじゃがいもは抗酸化ビタミンが豊富。

紫の食材

紫キャベツ、ラディッシュ、紫玉ねぎ、ビーツ、なす、紫いも、小豆、ブルーベリー、ぶどう、いちじく など

紫キャベツ、紫玉ねぎ、ぶどうやブルーベリーに含まれる紫の色素成分であるアントシアニンは、抗酸化作用が非常に強く、認知症予防に役立つという報告も。

茶の食材

しいたけ、まいたけ、なめこ、ごぼう、しょうが、ごま、ナッツ、納豆、厚揚げ、みそ など

茶色の食材には、香りや味に特徴のあるものが目立つ。こうしたクセのある味や香りのもとがフィトケミカル。食物繊維の豊富なものが多く、解毒にも役立つ。

黒の食材

黒ごま、黒にんにく、黒豆、きくらげ、のり、昆布 など

黒豆、黒にんにく、黒ごまなど、黒い食材は黒くない食材(豆・にんにく・白ごま)に比べポリフェノールの色素を多く含んでいる。健康長寿に役立つ食材ばかりで、漢方では滋養強壮の力が強いとされている。

※この記事は「ゆうゆう」2025年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。


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