長引く咳やじんましん、「年齢のせい」で片づけないで。大人になって増える【かくれアレルギー】とは
長引く咳や、繰り返すじんましん。「年齢のせい」「体質だから」と、気になる不調をそのままにしていませんか? 実は、そうした症状の背景に「かくれアレルギー」がひそんでいることも! 呼吸器・アレルギーの専門医、鈴木慎太郎さんの新刊『その不調、「かくれアレルギー」が原因かも』(あさ出版)からお届けする第1回は、大人になってから発症するアレルギーについて。
近年、アレルギーによる不調を抱える人が増えている
近年、アレルギーによる不調は、世界的に増えているといわれています。
日本でも、アレルギー性鼻炎や花粉症、食物アレルギー、重いアレルギー反応であるアナフィラキシーなどが、この数十年で増えてきました。
その背景には、生活環境の変化や、食生活の変化にともなう腸内環境の乱れ、大気中の微粒子(PM2.5など)への曝露(ばくろ/アレルゲンにさらされること)など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
現在では、日本人の約2人に1人が何らかのアレルギーに関わる症状を持っているともいわれており、アレルギーはもはや、誰にとっても身近なものになっています。
こうしたアレルギーの増加とともに、「大人になってから発症するアレルギー」も目立つようになってきました。
多くのアレルギー疾患は、子どもの頃に発症する場合と、大人になってから発症する場合の大きく2つに分けられます。
例えば食物アレルギーは、かつては子どもの病気と考えられていましたが、近年では成人してから発症するケースも珍しくなく、全体の約半数を占めるともいわれています。
特に、甲殻類や小麦、果物などは大人になってから初めて症状が出ることがあります。
また、近年注目されている“おなかの症状”を主体としたアレルギー関連疾患である好酸球性消化管疾患は、全年代で以前と比べて増えています。
好酸球性消化管疾患のうち好酸球性食道炎は、中高年の男性に多いことが知られています。
そして、消化管に症状が現れるタイプの食物アレルギーは、成人人口の6%ほど存在すると報告されています。
こうした背景には、加齢にともなう体の変化があります。
年齢を重ねると免疫の働きは単に弱くなるだけでなく、炎症の調節がうまくいかなくなります。また、長年使ってきた消化管などの臓器は、飲食物や薬の影響、感染などによって粘膜のバリア機能が低下しやすくなります。
その結果、これまで問題なかったものに対しても体が過敏に反応し、アレルギー症状が現れたり、長引いたり、重くなったりする可能性があるのです。
