【おむすび】「サッチンはギャルやん」発言に腰がくだける。トンデモ理論でギャル魂を「むすんで」くるとは!
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田幸和歌子
そんななか、結に対して過干渉ぎみだった父・聖人(北村有起哉)の気持ちが少し柔らかくなったことはパーティーの成果だろう。食後、翔也の髪を切ってあげるという、会話こそ少ないものの男同士二人だけの時間を経たことによって、これからもずっと切ってやるという、遠回しではあるが認める発言までたどり着いたことは大きな一歩だ。
ひとりよがりだったことに気づく結
なんとなくほっこりした空気の流れる米田家だが、そこに水を注しに現れたのが、靴職人のナベさん(緒方直人)だ。「ほどこしは受けん」という、時代劇のようなセリフとともにせっかく届けた糸島の野菜を突き返される。
気に入らなかったら黙って捨てればいいものを持ってくる行為はデリカシーのなさを越えた当て付け行為でしかないが、娘を失った悲しみの大きさはあるとはいえ、商店街のみんなが力を合わせて乗り越えてきた12年もの月日、どうやって過ごせてきたのかこの先が気になるところだ。
現在に比べるとアスリートの栄養管理もまだ過渡期だったかもしれない。そんななかで摂食障害となりけがをし、選手生命に関わる経験をした沙智が、なぜいま栄養学をまなぶのかを知り、自分が相手のことを何も考えずひとりよがりだったことに気づく結。
わだかまりもとけ、これまでの沙智の知識をもとに、たとえば豚まんはビタミンB1や炭水化物やタンパク質もとれて、空腹のときにおすすめと教えるなど、献立づくりにアドバイスをくれることに。
献立問題、そして沙智との溝といった目の前の問題は、こうしてなんとなく解決、同じ班の4人の距離もいっそう縮まり、翔也の空腹問題も解決、よかったよかったというところである。
そんななか結が真顔で放った「サッチンはギャルやん」発言には腰がくだけたものの、「好きなことを貫いとう人はみんなギャルやろ」というトンデモ理論でギャル魂を「むすんで」きたことは、一周回ってやられたところだ。
ストーリーはまだ3分の1を消化したばかり。この先中盤以降、いろんなものを想像をこえた「むすび」方をしてくれる可能性が見えてくるような気もしてきた。
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