「今より25kg太っていました」大黒柱を襲った糖尿病と数々の病魔。夫との関係についても告白【山田夏子さんのターニングポイント#2】
公開日
更新日
ゆうゆうtime編集部
今より25kg太っていた40代。生活習慣病の宝庫でした
――体調を維持するためにしていることはありますか?
体のメンテナンスのために毎週ピラティスと整体に通っています。あとは毎朝ランニングをしていました。ピーク時は毎日10kmも走っていたんですよ。でも私の年齢で10kmは走りすぎ。膝を痛めて7kmに減らしました。今はテレビの仕事があるので、週末限定のお楽しみにしています。
――40代で糖尿病を経験されたとうかがいました。
はい。今から8年ほど前にNHKの番組に1年間レギュラー出演させていただいていたのですが、そこで私を知ってくださる人が増えて、その頃から仕事の依頼がすごく増えたんです。そこからコロナ禍に突入する数年間は、まさに過労死寸前の勢いで働いていました。
そんな毎日フルスロットルで働く私のガソリンは食べること。健康のことなど考えず飲んで食べて休みなく働いて、そんな不摂生な生活を続けた結果体重もすごく増加しました。今より25kg重かったですね。
そうこうしているうちに体調不良の日が増えて、45歳の頃に健康診断に行ったんです。その時の診断結果が想像以上にひどくて。糖尿病と診断された上に、いくつかある血液検査の項目で、正常値に収まっているものがひとつもなかったんです。他に逆流性食道炎や睡眠時無呼吸症候群もありました。生活習慣病の宝庫でしたね。
それでも私自身は、あまり気にしていませんでした。「薬を飲んで抑えられるなら飲んどきゃいいや」という感じ。深く捉えていなかったのです。
そんな感じで薬を飲みながら症状を抑えて何年か経ち、49歳になった頃です。コロナ禍に突入し、自分のことを見つめ直すようになりました。「コロナ禍が明けてまた忙しくなった時に、私は以前のように走り続けられるのかな」「体力が持つかな」と不安になりました。
またその時、ちょうど当時75歳の母が階段から転んで鎖骨を折ったんですね。手を使えないので、一時期プチ介護のような状況になって、「あ、これからもしかしたら介護がはじまるんだ」と頭によぎりました。そして私こんなクタクタじゃ、まずいなと思ったのもありましたね。母は私よりも元気で丈夫な人だったので、余計に当時はショックを受けました。
そこからですねランニングを始めたのは。ダイエットをスタートする前に、まずは体力をつけなきゃと思って走り始めたのですが、最初は公園を1周走るだけでもへとへと。それでもコツコツと続けていました。
スリランカでの2週間の療養で生き方がガラリと変わった
――コロナ禍にスリランカのアーユルヴェーダ施設に行き、短期の療養生活を送ったそうですね。
はい。友人からスリランカに日本人がオープンしたアーユルヴェーダの施設があるから行ってみないかと誘われ、行ってみることにしました。
スリランカでの2週間の滞在は、私の人生観を大きく変えました。1日4回のオイルマッサージと、自分の体質に合った食事の提供。仕事はいっさいしません。スタッフのみなさんもフレンドリーで、家族の一員のように接してくださいました。
担当してくださるお医者様は年配の女性だったんですが、施設内で出会う度に、何十年ぶりに会う孫かのように私の頭をなでて「元気?調子はどう?」と聞いてくださる。私ってこんなに大切にされる存在なんだ、と自然と涙が出るようなそんな感覚になったんです。それまでは「何もしない私には価値がない」と思い込んでいましたから。
――スリランカでの素晴らしい経験を経て、帰国後のダイエットも順調に進みましたか?
はい。アーユルヴェーダの知識を普段の食事に活かし、ランニングも続け、体重も順調に減っていきました。今でも年に1回はスリランカのその施設に行っています。里帰りみたいなものです。
――糖尿病や血液検査の数値にも変化はありましたか?
逆流性食道炎は、薬を飲まないと痛くて我慢できなかったんです。それがスリランカから帰ってきたら薬を飲まなくても痛みを感じないようになりました。
さらに病院に行って血液検査を受けたら、血液検査の項目がすべて正常値に入っていたんです! これはお医者様も認めざるを得ません。その頃から薬を飲む必要がなくなりました。この状態を維持したいので、今も食事療法や運動は続けています。
山田夏子さんのターニングポイント②
「何もしない私には価値がない」と思い込んでいましたが、「ありのままの私でいていい」ということを教えてくれた、スリランカのアーユルヴェーダでの体験。私の第二の故郷になりました。
▼あわせて読みたい▼
≫≫「シングルで子どもがいない私」が、60歳目前で生まれ故郷・東京に戻ることにした理由 【広瀬裕子さんのターニングポイント#1】 ≫≫【赤間麻里子さんのターニングポイント#5】「フリーマーケットで子供服を売ってお小遣いに…」役者の夫との結婚。父に問われた幸せの本質とは? ≫≫「父・つかこうへいの訃報が入ったのは宝塚退団公演の開演10分前でした」最期に会えなかった父への思い、死との向き合い方【愛原実花さんのターニングポイント#3】
PROFILE
やまだ なつこ●1973年生まれ。一般社団法人グラフィックファシリテーション協会代表理事。株式会社しごと総合研究所代表取締役。武蔵野美術大学造形学部卒業後、株式会社バンタンにて、スクールディレクター・各校館長を歴任。独立後、株式会社しごと総合研究所を設立し、組織開発やビジョン策定、リーダーシップ事業を展開。グラフィックファシリテーション講座を開講し、のべ3000人以上が受講。2025年3月よりフジテレビ『サン!シャイン』にて月曜から金曜までレギュラー出演中。
一般社団法人グラフィックファシリテーション協会WEBサイト/https://grafaci.or.jp/
株式会社しごと総合研究所WEBサイト/https://www.shigotosoken.jp/
撮影/廣江雅美 取材・文/皆川知子