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平均年齢86歳の勉強会が刺激に。元日テレアナウンサー【石川牧子さん】76歳が語る、老人ホームで広がる人づき合いと学びの時間

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依田邦代

新しいことを知ると、頭にパッと電球が灯る

人との関わりによる学びを大事にしている石川さんだが、本から得られる知識もかけがえのないものだと思っている。

「読書の時間はできる限り増やしたいと思っています。『えっ、これってそうだったの?』と、本から知ることはたくさんあります。若い頃は面倒だと思っていた勉強も、この年になると楽しくなるから不思議ですね」

新しい知識を取り入れ、自分がバージョンアップしていく感覚は純粋な喜びだ。

「漫画で言うと頭にパッと電球が灯るあの感じ。パッと輝いて全身の細胞が活性化する感じがたまらなく好きです」

若い頃の自分を思い出して、恥ずかしくて顔から火が出そうになることもあると言う。たとえば、1977年に誕生した日本テレビの超人気番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」。この伝説的番組が誕生50周年を記念して復活することが先日、発表されて話題になった。石川さんは、高島忠夫さんと共に番組の総合司会を務めた、局を代表するアナウンサーだった。

「それを言われるのがすごく恥ずかしいです。『触れないで、その話には』と言いたいくらい。20代から30代にかけて、知ったかぶりをしてしゃべっていた私。もっと早く自分の無知さに気づけばよかった、と今になって悔やんでいます」

学んだことはアウトプットも大事

今でも年に数回、ステージに立って司会の仕事をしている石川さん。そこで感じるのが、最近、余裕をもってお客様に話しかけられるようになったこと。

「以前は大過なく終わらせることに心を砕いていましたが、今は、お客様が喜んでいるかどうかが一番気になります。私の言葉に、うんうんと快くうなずきながら次のパフォーマンスを待ってくださっているのを見ると、手ごたえを感じます」

過去は必ずしも「お客様ファースト」ではなかったと振り返る。

「もちろん『お客様のために』と口では言っていましたが、終わったときに『石川さんに頼んでよかった』と評価されることのほうが大事だったと思います。今やっと、十分に間を取って、当たり前の話題を普通の言葉で説得力を持って話せるようになり、お客様との交歓を楽しめるようになりました」

その変化の理由は?

「昨年5月までコーラスグループ『フォレスタ』のコンサートの司会を16年間務めました。ライブは全国で行うので、ステージに立つ前に開催地のことをいろいろと調べるのですが、土地にはそれぞれ深い歴史があります。知らないことだらけで、にわか勉強では追いつかないほどでした」

「今まで、こんなことも知らずに生きてきたんだ……」と衝撃を受けることもしばしばだったと言う。

「現役時代のあわただしさから解放されてからは、じっくり勉強する時間がとれるようになりました。自分の中に堆積した知識や気づきがいつの間にか血肉となり、自信と余裕が生まれたのかもしれませんね」

学ぶことで心の世界は豊かに広がっていく。でも、それを自分の中だけにとどめておくのではなく誰かと共有することで、喜びは何倍にもなる。インプットしたことはアウトプットすることでこそ、初めて輝きを増すのだ。

一番、大切にしたいのは「学び」。学ぶことに終着点はない

現在、身辺を整理しながら、自分に必要と思われるモノやことを見直している石川さん。そんな石川さんが今、人生で一番、大切にしたいと思うのは何だろう。

「それって、とても難しい質問で、答えがなかなか出てきませんでした。私には、もう家族がいないから、家族を大切に思うということはないですし……。でも、今、いろいろと話している中で初めてわかりました。私が一番、大切に思っていることは『学ぶこと』なんだって。「知る喜び」や「学ぶ楽しさ」は私にとって、とても大切なことです」

若い頃に読んだ小説『徳川家康』の中で、著者の山岡荘八による、石川さんの心に今も残る言葉があるという。

「家康の言葉として『年を取るということは肉体や体力は衰えても、精神は向上するということ』という意味のことが書かれています。いい年の取り方をするには、衰えるものと向上していくものとのバランスが大事なんだとそのときに思いました。バランスが取れないと見苦しい年寄りになってしまう。であれば、うまくバランスの取れる自分でありたいと思いました」

石川さんは、老人ホームの先輩から、「80歳になったら目がおぼつかなくて、本を開いても2行も読めないのよ」と聞いた。

「年を重ねるとそういうこともあるのだな、と知りました。今、76歳。いつまで本が読めるかはわからないですが、これからもできるかぎり本を読んで、新しいことを知る喜びを味わっていきたいと思っています」

自分らしく老いる覚悟。元祖女性アナウンス部長 私、老人ホームに入りました!

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日本テレビのアナウンサーとして華やかなキャリアを積んだ石川牧子さんが、元気なうちに老人ホーム入居を選択したその理由と経緯をつづった手記。「高齢おひとりさまのためのお役立ち情報」も随所に掲載。

※詳細は下のボタンより。

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撮影/佐山裕子(主婦の友社) 取材・文/依田邦代

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