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北村有起哉の名演技が光る【おむすび】「結ちゃんすごい」がもはやほほえましく感じられるようになってきた

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田幸和歌子

「おむすび」第100回より(C)NHK

北村有起哉の名演技はとても印象的だ

さらに、
「翔也も一人前になるために毎日ひたむきにがんばってくれとるし」
「かわいい花もおって」
そして、
「なにより、俺にはもったいないぐらい大好きな愛子がいてくれて」
ひとりひとりに穏やかな表情で語りかけ、
「俺の人生、間違ってへんかったわ。こんなに幸せやった」
と締め括る北村有起哉の名演技はとても印象的だ。そして、「遺言みたいやな」と笑いで着地させるところまで、これまで「雑」「浅い」と評されがちだった本作にとって、屈指の名場面ではなかっただろうか。

話は前後するが、渡辺(緒方直人)と出かけたまま遅くまで帰ってこない聖人の帰りを待つことで、親の気持ちがわかったという娘たちの描写も、丁寧な親子関係の描きかたを感じる。正直、それぞれの職業に関する描き方に、それこそ結の「ギャルなめんな!」という一喝セリフのようなことを思わず言いたくなることが多かったが、家族愛、家族の距離感や関係性の提示は、平凡な家庭を描くという当初のテーマに沿ったものではないだろうか。

今週のラスト、米田家のドアホンが鳴り、モニターに、今どうしているのか生死すら不明だった(?)、永吉(松平健)と佳代(宮崎美子)が訪問(またしても安定のアポ無し!?)することで放送は締めくくられた。

次週のサブタイトルは「米田家の呪い」。序盤からずっと語られてきた、大きなテーマがサブタイトルとして掲げられた。永吉・佳代を含めた米田家の「家族のはなし」は、さらに深められていきそうな予感だ。

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