【認知症母との介護生活#24】「髪型が気に入らないから“死にたい”…!?認知症の母が見せた“まるでJK”な瞬間
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】母を美容院に連れて行った
マンガで描く 母は
おだんご頭だけど
実は 母は
おだんご頭ではなく
軽くパーマをかけた ショートヘア
実際は
耳の上の髪の毛を 短く切られたことで
死にたくなったのだった
母は
昔から 耳の形に
コンプレックスを持っていて
いつも 髪の毛で
耳を隠していた
その ヘンな耳 が
短い髪では 隠れない
切った その日は
きれいにセットされていたので
目眩ましにあったか
実際 うまく隠れていたか
でも 翌朝になって
耳が見えることに
気付いてしまったらしい
もっとも
私からすると
別に 特に ヘンでもない
なんで そんなに気にするのかなあ
と 逆に 不思議に思っていたくらい
まあ どう感じるか は
本人次第だけどね
最初のうち
鏡の前で ブツブツ言いながら
髪の毛と 格闘していた母だけど
しばらくして 私のところに来て
文句を言い始めた
あの美容師は ヘタクソだ
センスが無いし 気配りもない
だのと もうボロクソ
かわいそうな 美容師さん
そんな ヘンじゃないよ
ステキだよ
と 私が一生懸命フォローすると
それが また 気に触ったのか
今度は
怒りが こちらに向いてきた
M子がオススメした美容師さんなのに
あなたが ちゃんと
耳のところ 短くしないで
って 言わなかったから
な~んて 言い出し
そのうち 涙目になってきて
そして ついには
もう こんな髪型に
なってしまって
死んでしまいたい
という発言に 至ったのだった
戦火をくぐり抜け
焼け野原だった日本を
サバイブしてきたはずの
89歳 母の
髪型ひとつでの この
死んでしまいたい発言
さすがに
それは 傲慢だろう
とはいえ
確かに
最近の母は 傷つきやすい
特に
自分のケータイの
電話帳の操作が
わからなくなってしまった時や
薬を飲み忘れて
私に指摘された時
本当に
絶望した顔をする
以前は 当たり前にできたことが
できなくなってきて
できなくなったこと自体は
自覚できるんだけど
でも やっぱり
かつて できていたのに
と思うと
ショックなんだろう
認知症 という病気は
情緒も不安定にさせる
時には
気持ちが保てなくなって
テーブルに突っ伏して
泣くことも ある
そして
もう 死んでしまいたい
と言うことも
もっとも
その 1分後には
ガバッと起き上がり
お腹すいたわ ご飯まだ?
と言ったりもするんだけどね
それは
神様が与えてくれた
救い
かもしれない
悲しいことは 全部忘れて
母に 残された時間が もし
楽しかったり
うれしかったり
おいしかったりで
満たされたら
それは
きっと いいこと
▼次回はこちら▼
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