定年後も働いたほうがいい?「お金・健康・孤独」3つの不安を減らす、60歳からの仕事の考え方
定年後、年金だけでは生活できない?
これからの生活費を補うには不十分。さらに年金の制度改正と物価上昇で実質額も目減りする
まず、年金受給額の平均を月額から見てみましょう(令和5年度)。厚生年金(基礎年金含む)の場合、男性は約16万7000円、女性は約10万7000円。国民年金のみの人は男女とも5万6000~6万円程度です。
さらに厳しい現実ですが、年金額は今後、実質的に目減りすると考えられます。背景にあるのが、2004年の制度改正で導入された「マクロ経済スライド」という仕組み。これは現役世代の減少や寿命の延びに合わせて、年金の伸びを物価や賃金の上昇よりも低く抑える、いわば調整弁のようなもの。過去には物価が下がっても年金額を据え置いたツケを後から減額して調整した歴史もあり、受給額は今後も減少傾向にあると考えられます。
追い打ちをかけるのが、近年の物価上昇です。2023年以降の消費者物価指数(※)は前年比3%前後で上昇し、2025年は食料品に限っていえば、前年比で6.7%のアップ。年金額も改定で増える場合もありますが、物価高とマクロ経済スライドの影響で、お金の価値や購買力は目減りし続けています。
年金は定年後の生活を支えるベースではありますが、それだけに頼らず、自分らしく働き続けて収入の柱を増やすことが、これからの時代には不可欠といえるでしょう。
※生鮮食品を含む「総合指数」の場合
今後、年金額はますます減少傾向に
今の80代以上は受給額が手厚い世代。その後は2004年の年金制度改正に加え、厚生年金の給付乗率低下や遺族厚生年金の削減など、国の政策が減額に影響していると考えられます。
年代別の年金受給額(年額)
漫画・イラスト/森下えみこ
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西村栄子●にしむらえいこ
キャリアコンサルタント。株式会社Nキャリアート代表取締役、一般社団法人高齢者再就職支援センター代表理事。国家資格キャリアコンサルタントの中でも数少ない、定年後や高齢者の再就職に特化した専門家。 自治体や企業での再就職支援のほか、人材不足の企業の仕事と雇用の形を変える人材コンサルタントとしても活動。
國富真●くにとみまこと
ファイナンシャル・プランナー。1級FP技能士・CFP®。くにとみFPオフィス代表。旅行会社・保険会社勤務を経て2020年FPオフィス開設。相談すると未来を見通せるといわれる「みらいへの旅先案内人」として、ライフプラン・資産運用・ローン・保険など、のべ500名以上の顧客の幅広い相談に対応している。
※この記事は、『定年後の働き方で知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社刊)の内容を、ウェブ記事用に再編集したものです。
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