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「70代以降は、少し太っていたほうが長生きする」その理由は?【医師の鎌田實さん×経済のプロ荻原博子さん対談】

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ゆうゆう編集部

野菜をとって体内の酸化と老化を防ごう

鎌田 野菜中心の食生活というのもすばらしい。野菜には抗酸化力があるので、老化を遅らせる意味でも60代には野菜は大事です。

荻原 老化を防ぐんですか?

鎌田 そう。老化って体のさびつき、つまり「酸化」が原因の一つです。呼吸すると酸素が体の中にたまって、鉄がさびるみたいに酸化する。それを防ぐのが野菜の抗酸化力です。

荻原 じゃあ私の方法は間違っていなかったんですね。でも私は甘いものが大好きで、間食がなかなかやめられないんです。

鎌田 酸化と同じくらい注意したいのが、体の「糖化」ですよ。

荻原 糖化とは?

鎌田 砂糖や穀物などの糖が、体内でたんぱく質と結びつくと「焦げ」ができるんです。これも老化の原因になります。特に注意したいのは甘い飲み物で、炭酸飲料には角砂糖10〜16個分の糖分が入っているんです。

荻原 そうですか! 怖いですね。私の場合、飲み物は無糖なのですが、甘い食べ物が大好きで……。

鎌田 おいしいものはね、がまんするのではなく少量食べるのがいいんです。荻原さんがダイエットでやせたのはいくつ?

荻原 5年前、65歳のときです。

鎌田 大正解ですね。今は70歳になったので、この体重を維持することだけ考えましょう。

荻原 やせなくていい?

鎌田 そう。60代までは高血圧や高血糖などの生活習慣病になりやすいのでメタボに注意が必要ですが、70代以上になったらやせないほうがいいんです。

荻原 やせないほうがいいというのは驚きです。どうしてですか?

鎌田 70代以降は、少し太っている人のほうが長生きなんです。問題は筋肉フレイル(虚弱)です。フレイルから介護保険のお世話になる人が多い。やせているほうが危険なので、荻原さんは今のままでいい。自信をもって!

荻原 うれしい(笑)。

鎌田 食べすぎたときだけ、2~3日炭水化物を控えましょう。

荻原 わかりました。

鎌田 80代になったらコレステロールを減らさないことも大事です。標準値より高くても寿命に影響はないけれど、低いと死亡率が高まる。

荻原 コレステロールって何に多く含まれるんでしたっけ?

鎌田 卵や肉、揚げ物にも多いですね。以前は「卵は1日1個まで」といわれていましたが、1日2~3個は問題ありません。手軽に調理できるので、シニア世代にはぜひ食べてほしいですね。

【中編に続く】

※この記事は「ゆうゆう」2024年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

取材・文/神 素子

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